施工② 仕上げ・設備・工程管理
対象講義: 基礎講座第3〜4回、BASIC講義(施工・設備編)。仕上げ工事は工法名+適用部位+数値、工程管理はネットワークの計算手順が得点源です。
1. 防水工事(アスファルト防水)
- アスファルトルーフィングを溶解アスファルトで7〜10層積層
- 流し張り: 水下側→水上側へ、継目は長手・幅方向とも約100mm重ねる
- 出隅30・入隅30(70)の面取り
- 伸縮目地: 立上り面から0.6m内外、中間部は縦横3m程度
- 絶縁工法: 下地と防水層を部分接着して下地変形に追従させる(改質アスファルトシート・砂付ストレッチルーフィング)
防水層は「下地に完全密着させない」のがコツ(絶縁工法)。下地のひび割れがそのまま防水層を破断させるため。
2. 屋根工事(金属折板)
- タイトフレーム: 下地(梁)と折板を緊結する部材
- 緊結ボルト間隔: 600mm程度、ハゼピッチ600mm程度
- けらば納め: 切妻・片流れの側端部の包み(継手位置はタイトフレーム近く)
- 重ね部の働き幅600mm・山ピッチ・上底/下底の断面形状
3. 塗装・左官・タイル
塗装
- 塗料の性能と素材適合表(FE・SOP・EP・CL・OSV)は「どの塗料が何に向くか」だけ押さえる
- クリヤラッカー=木部の透明塗装(内部造作)。湿度80%以上で作業中止
- 合成樹脂調合ペイント=鉄・亜鉛めっき・木向け。モルタル面は不適(耐アルカリ性劣る)
左官(セメントモルタル)
- 工程: 下地調整→14日養生→下塗り→1日→むら直し→中塗り→上塗り
- 塗り厚: 天井・ひさし=12mm以下、その他=25mm以下、1回=6mm標準(最大9mm)
- 中塗りは十分な水湿しをしてから取り掛かる
タイル
- 種類: I類磁器質・II類せっ器質・III類陶器質(外装=I・II、内装=I・II又はIII、床=I・IIかつ無釉)
- 張り方: 改良圧着張り(下地+裏面両方モルタル4〜6+1〜3mm)・改良積上げ張り(裏面7〜10mm)・接着剤張り(3mm程度、下地非モルタル可)・モザイク張り
- 伸縮調整目地=シーリング材+バックアップ材
4. 建具・金属・内装
- アルミ建具のアンカー: 端部150mm内外・中間部500mm内外(アンカーと差し筋は最短距離で溶接)
- 建具の突付け部: シーリング材充填 or シート状止水材で漏水防止
- 軽量鉄骨下地: スタッド=壁の縦材、ランナー=上下、振止め、野縁=天井(ボード2枚=360mm・1枚=455mm程度・1辺600mm以下で300mm程度)
- 吊りボルト: @900程度
- ビニル床シート: 20℃以上で敷き延ばし→切断→24時間放置(巻きぐせ除去)→45kgローラ圧着→熱溶接で目地処理
- ボードの留付け間隔: 木製下地/鋼製下地で異なり、「周辺部<中間部、天井<壁」と狭い関係を覚える
- 直張り工法: 接着材は仕上げ厚さの2倍、接着面は直径120〜150mm程度接触
「開口部補強材は床からスラブ下まで通す」等、数値と部位の細かい対応が○×で出る。図で位置を確認する習慣を。
5. 給排水・電気設備
給水方式5種
- 水道直結直圧方式 — 配水管の水圧で直送(2階建住宅向け、量水器+止水栓)
- 水道直結増圧方式 — 直結+ブースタポンプ
- 高架(高置)タンク方式 — ポンプで高架水槽へ、重力重力給水
- 圧力タンク方式 — 圧力水槽で加圧(給水圧力の変動が大きい・停電時は給水不可)
- ポンプ直送方式 — 直接ポンプで加圧
トラップと封水
- トラップ=排水管の封水(水溜り)で臭気・ガス遮断
- 封水切れの原因: 自己サイホン現象・吸出し・はね出し(一時的な負圧/正圧)
電気設備
- 電圧区分: 低圧(直流750V以下/交流600V以下)・高圧(7,000V以下)・特別高圧(7,000V超)
- 三相4線式400V級: モーター400V・蛍光灯200V・コンセント100V
- バスダクト配線: 導体(銅/アルミ母線)+絶縁被覆+外箱、アース
6. 施工計画とネットワーク工程表
施工計画の5M
Method(方法)・Machinery(機械)・Money(資金)・Material(材料)・Men(労働力)。管理領域はQ・D・S・C・E(品質・工程・安全・原価・環境)。
ネットワークの基本
- 作業=アクティビティ(矢線)、所要日数=デュレーション、結合点=イベント(元丸)
- ダミー=所要日数ゼロの点線(作業の依存関係だけを表す)
- 開始点と終了点は各1つのみ
計算手順
- 最早開始時刻(EST): 開始点から加算しながら進み、合流点では大きい方を採用
- 最早終了時刻(EFT): その作業のEST+所要日数
- 最遅終了時刻(LFT): 終了点から引き算で戻り、分岐点では小さい方を採用
- 最遅開始時刻(LST): LFT−所要日数
- クリティカルパス: LST=ESTとなる作業の連鎖(=最長経路=工期を支配)
ESTは「前の作業が全部終わってから始められる」だから合流点で最大値。LFTは「後の作業に間に合わせる」だから分岐点で最小値。この対比を意識。
クリティカルパスは最長経路(余裕がない)。「最短」ではないので混同注意。ダミーは0日でも経路に含める。
確認問題
Q1. 圧力タンク方式の欠点は?
給水圧力の変動が大きく、停電時は給水できない。高架タンクの重力式との対比で覚える。
Q2. ネットワークで合流点のESTは最大・最小どちらを採用する?
最大値(この例なら9日)。先行作業が全て終わらないと後続は始められないため。LFTの逆算は最小値。
Q3. アルミ建具のアンカーの中間部の間隔は?
500mm内外(端部は150mm内外)。