数学基礎 学習ガイド
対象講義: 「新・建築のための数学」(全11章・約5時間)および基礎講座第1回の計算パート。建築力学・構造計算の前に必要な算数〜中学数学の復習です。「手順」をノートに書き出して、必ず手を動かして解くのが前提です。
学び方
この科目は読むだけでは身につきません。動画で「画面を止めて解いてください」と言われたら本当に止めて手を動かす。1問でも手を抜くと後の方程式・図形計算で全部が崩れます。復習ポイントは符号の扱い・分数の計算・単位換算・方程式の移項の4点に絞ると効率的です。
1. 計算の絶対ルール
- 演算順序: カッコの中 → 乗除(×÷) → 加減(+−)。+・−だけの式は左から順に
- カッコの中にカッコがある: 内側から順に解く({10+(5+(7−4))÷2} の形)
- 負の数の乗除: 同符号→+、異符号→−(−(−4)=+4)
- 分数: 分数=割り算(2/3=2÷3)。加減は通分、乗算は分子×分子・分母×分母、除算は逆数で掛ける、約分は早めに
- 小数: 加減は小数点位置を揃える(筆算)。乗算は小数点をずらして戻す
- 平方・立方: a²=a×a(面積のイメージ)、a³=a×a×a(体積)
符号ミスの9割は「カッコを外すときの符号反転忘れ」か「負の数同士の乗算の符号」。答えが出たら符号だけもう一度確認する習慣を。
2. 単位のついた計算(建築で最重要)
- 1t=1,000kg、1kg=1,000g、1m=100cm=1,000mm
- 単位をそろえてから計算する: 「10cm+1m」はそのまま足せない(→110cm=1.1m)
- 応力度の単位: 力÷面積= N/mm² (4N÷(2mm×2mm)=1N/mm²)
- モーメント: 力×距離= kN·m (2kN×3m=6kN·m)
- 分布荷重: 力÷長さ= kN/m、面荷重: 力÷面積= kN/m²
答えの単位がおかしかったら必ずどこかで換算ミス。計算結果に「単位」を必ず書くと検算になる。
3. 文字式と方程式
- 文字式の省略ルール: ×・÷は省略、数字は文字の前(a×(−6)→−6a、a×b→ab)
- 同類項: 同じ文字の項どうしでまとめる
- 等式の性質: 両辺に同じ操作をしても等式は成立する(加減乗除)
- 移項: 反対側に移すと符号が変わる(+3→−3、×2→÷2)
例: 2x + 3 = 11
移項: 2x = 11 − 3 = 8 → x = 4
移項: 2x = 11 − 3 = 8 → x = 4
方程式は「両辺を同じ操作で崩す」ではなく「移項でx=の形にする」手順で解く方が速い。検算は元の式に代入。
4. 比例式と図形
- 比例式: a:b = c:d なら 内項の積 = 外項の積(b×c = a×d)
- 平方根: 2を2乗すると4 → 4の平方根は2(√4=2)
- 基本三角形の辺比: 3:4:5(直角)、30°/60°(1:√3:2)、45°(1:1:√2) — 建築力学の斜め荷重・トラスで頻出
- 三角比: sinθ=対辺/斜辺、cosθ=隣辺/斜辺、tanθ=対辺/隣辺
5. 図形の面積
| 図形 | 面積 |
|---|---|
| 三角形 | 底辺 × 高さ ÷ 2 |
| 台形 | (上底+下底) × 高さ ÷ 2 |
| I型断面・複合形 | 長方形に分割して合計 |
| 円 | 半径² × π |
複雑な断面は「分割して長方形の和」で計算するのが最もミスが少ない。I型断面は上フランジ+ウェブ+下フランジの3分割。
確認問題
Q1. 比例式 3:5 = 9:x の x は?
内項の積=外項の積: 5×9=3×x → x=15。
Q2. 底辺4m・高さ5mの三角形の面積は?
4×5÷2 = 10㎡。
Q3. 45°の直角二等辺三角形の辺比は?
1 : 1 : √2(底辺:高さ:斜辺)。30°/60°は1:√3:2、3:4:5は整数比。