応用問題の解き方
応用問題が難しいのは「1つの問題に手順が何段も積み重なる」からです。どんな問題でも基本の3ステップを崩さないことが答えへの近道です:
- 荷重を整理する: 等分布は合力に、三角形分布も合力に、斜めの力は成分に分ける
- 反力を全部求める: ΣX=0 → 片方の支点でΣM=0 → ΣY=0、の順に解いて検算
- 区間ごとに切断して応力を求める: 荷重点の左右で分けて考え、Q図・M図をつなぐ
応用問題で間違える人の9割は、ステップ2(反力)を飛ばしてステップ3に進もうとするか、反力の符号確認をしないまま応力図を描いています。反力の検算は必須。
例題1: 単純梁に集中荷重が2個
スパン6mの単純梁、Aから2mに8kN、Aから4mに4kN。反力とQ図・M図を求めよ。
- ΣMA=0: VB×6 − 8×2 − 4×4 = 0 → VB = 32/6 = 5.33kN
- ΣY=0: VA = 12 − 5.33 = 6.67kN
- 検算: ΣMB=0 → VA×6 − 8×4 − 4×2 = 40 − 40 = 0 ✓
- 区間を荷重点で分けてQを読む: A〜8kN点は+6.67、8kN点〜4kN点は6.67−8=−1.33、それ以降は−1.33−4=−5.33(=−VBで一致✓)
Q図の面積=Mの変化量。荷重点2つならM図は「2回折れる」。Mは最大値がQ符号が切り替わる点(ここでは8kNの位置)に現れる。
例題2: 等分布荷重と集中荷重の複合
スパン4mの単純梁、全長に w=3kN/m の等分布 + 中央に6kNの集中荷重。
- 等分布を合力に: 3×4=12kN(中央2mの位置に作用)
- 中央の6kNと重なるので、実質「中央に12+6=18kN」— 左右対称 → VA=VB=9kN
- Q図: A端+9から右へ傾斜(傾き−3kN/m)、中央で6kN分の段差(+3→−3)、B端で−9
- M図: 二次曲線だが集中荷重の分だけ中央で尖る。Mmax = w·l²/8 + P·l/4 = 6 + 6 = 12kN·m
「等分布+集中」を1つの合力にまとめて考えるところがポイント。中央集中+全長等分布は対称なので反力は等分。形が対称なら反力は半分ずつと即断できる。
例題3: 静定ラーメン(鉛直荷重)の応力
門型ラーメン(Aピン・Bローラー、柱高4m・梁スパン4m)、梁の中央に6kN。各部材の応力を整理せよ。
- 反力: ΣX→HA=0、対称なのでVA=VB=3kN(検算: ΣMA→VB×4−6×2=0 ✓)
- 左柱: 軸方向力N=−3kN(圧縮)、せん断Q=0、曲げM=0(水平力がないので柱は軸力だけ)
- 梁: 中央で切断。左側の外力はVA=3kNのみ → Q=−3kN側、中央のM=3×2=6kN·m(節点はM=6kN·m?いいえ — 節点は剛節点でも、この単純梁系ラーメンでは柱に曲げが伝わらない単純梁相当)
- M図: 梁の中央で6kN·mの三角形(下側引張)
「単純梁系ラーメン」(ピン+ローラー)は鉛直荷重だけなら柱に曲げが入らない。水平荷重が入ると初めて柱に曲げが伝わる。問題文の荷重の向きを必ず確認。
例題4: トラス切断法(指定部材のみ)
3:4:5の三角形トラス、頂点に6kNの鉛直荷重。斜め部材Xの部材力を切断法で求めよ。
- 反力: 対称なので VA=VB=3kN
- 切断線を引く: 求める部材Xを含め、計3本を切る(部材X+弦材2本)
- 右側を残すと外力はVB=3kNのみ。残り2本の交点まわりでΣM=0を立てる
- 部材Xの成分: 3:4:5なので斜辺比3/5・4/5を使い分解する
切断法は「どこを切るか」が8割。まず求める部材を決め、その部材を切りながら切る本数が最小(2〜3本)になる線を探す。複雑なトラスほどこの「切り方」が勝負。
部材の角度は必ず図の寸法から三角形の比(3:4:5等)を読み取って成分分解。角度を推測しない。
応用問題で躓いたときのチェックリスト
- 荷重の種類を全部書き出したか(集中/等分布/三角形/水平/モーメント)?
- 合力への変換で作用位置を間違えていないか(中央/1-3点)?
- 反力を3成分全部出したか?検算したか?
- 符号の向きを最初に決めて最後まで変えていないか?
- 切断したとき、「残す側」を外力が少ない方にしたか?
- M図は引張側に描いているか?